機能食品通信090号

■今回のテーマ
・機能性表示食品の届出サポート。
 (第6回:臨床試験編 倫理委員会申請について)
・送り先のお伺いシート。

 皆様こんにちは。機能食品研究所、梅田です。
 3月中旬の朝、自動車の車内が5℃前後に冷え切っておりコートを着て運転。その日の昼間、車内が日差しで35℃前後の温室と化しておりスーツの上着を脱いで運転。少し早めの夏を体験しました。

 先月号は臨床試験の計画書の骨子である仕様書の作成についてのお話でした。記事をご覧になられた方からも、仕様書を書いて欲しいというご依頼をいただきました。ありがとうございます。その仕様書を完成させてお渡しし、「よし、その内容で臨床試験をしよう」というご判断を戴きましたら、次は『計画書を含む倫理委員会申請書の作成』へと進みます。今月号の特集は、この倫理委員会申請書についてです。

 

機能性表示食品の届出サポート。
(第6回:臨床試験編 倫理委員会申請について)

倫理委員会にかけないと臨床試験が出来ません。
 先日、初めてお電話をくださった方から臨床試験の流れを教えてとご質問いただきました。弊社ホームページ上の該当部分をご覧戴きながら流れに沿ってお電話にてご説明を開始。お客様から「倫理委員会という言葉、ニュースや医療ドラマなどで聞くよね。あれが臨床試験でも必要なの?」とご質問をいただきました。はい、必要です。

 ヒトに何かをお渡しし、それを飲んだり食べたり塗ったりしていただいたり採血をさせていただく試験、つまり「介入」をする試験は倫理委員会にて試験実施の許可を得る必要が有ります。そしてこの後でお話ししますUMIN(ユーミン)登録時に倫理委員会の審査を受けたという情報が必要なのです。

 弊社の行う臨床試験は全て三重大学の先生に統括していただき実施している事から、三重大学医学部附属病院の倫理委員会にて審査をしていただいております。


UMIN(ユーミン)登録について。
 UMIN臨床試験登録システム(University Hospital Medical Information Network Clinical Trials Registry: UMIN-CTR)というインターネット上の登録サイトが有ります。どのような試験が計画されているかとか実施されたか等という情報が集積されるシステムです。

 機能性表示食品のガイドラインにUMIN等への事前登録が必要と記載されております事から「機能食品研究所はUMINに対応していますか?」というお問い合わせが多いです。はい、弊社は2013年春よりUMINへの事前登録に対応しております。

 登録時に試験毎に登録番号が発行されまして、論文の投稿先によってはUMIN等の試験登録システムの登録番号が無いと受理しませんと投稿規定に書いてある事が増えて来ました。

 よく「何の為に事前登録するんだろう?」と聞かれる事が有ります。私が講習会で聞いた話では、将来どこかで誰かが似たような被験物質で似たような方法で臨床試験をする時に「あれ? この事前登録をされた計画は論文投稿や学会発表がされていない。 何か有害事象などの問題が発生したのだろうか?」と、世の中に出ていない危険性に気付く事が出来たりするそうです。(結果が悪かったデータが公表されにくい事を「出版バイアス」と呼びます。)

 しかし、事前登録をするとお客様のライバル会社が「あの会社がこんな試験をやり始めるぞ。よし我々も真似して追いかけよう。」と戦略が筒抜けになってしまうため、機能性表示食品の場合、登録から1年間は非公表の状態にしても良いというルールが有ります。


倫理審査の項目。
審査項目は大まかには以下の通りです。 
 ①試験の目的
 ②被験者(モニター)さんに参加をお願いせねばならない理由
 ③必要以上の採血量・測定回数で負担をかけていないか
 ④同意の取り方は妥当か・無理強いとか嘘は無いか
 ⑤被験物質・対照物質についての情報
 ⑥摂取・塗布していただく量は妥当か
 ⑦プライバシーを守る方法は妥当か
 ⑧不測の事態が起こった時の対応方法は妥当か

 これらについて、統括医の先生やアドバイザーの先生と弊社にて資料を作成いたします。しかし ⑤被験物質・対照物質についての情報は、お客様にご準備していただく必要がございます。

お客様にご準備していただく情報。
 先ほど出てきました「⑤被験物質・対照物質についての情報」ですが、成分などによってご用意いただく情報の数・種類は変わってきますが、種類としては以下の通りです。

 A.有効性関与成分の作用機序
 B.有効性関与成分の遺伝毒性試験
 C.有効性関与成分の動物試験
 D,被験物質・対照物質に配合されている物質の情報
 E.既に臨床試験をされた場合は、その結果
 F.既に販売されている場合は販売年数・販売数量

 倫理委員会へ提出する種類の選定については、お客様と統括医師の先生を交えた打合せの時に「この有効性関与成分は新規の発明かつ未発売ですよね。そのため遺伝毒性試験や動物試験の結果が無いと、ヒトに摂取していただいても大丈夫という判断は難しいかもしれませんね。」などのように取捨選択をしていきます。しかし、お客様のご準備の都合もございます事から早めに知っておきたい、というお声をいただきます。その時、弊社は「今までの経験上、これとこれは必要かと思われます。」というようなご説明をさせていただきます。

書類の種類。
 これは三重大学医学部附属病院の場合ですが、以下の書類を作成していきます。
  ・倫理委員会申請書
  ・試験計画書
  ・同意説明文書
  ・同意書
  ・被験物質概要書
  ・利益相反関連の申告書

 これらの書類を作成し、統括医の先生を始め関わっていただく先生全員の押印をいただいてから倫理委員会事務局へ提出です。そして審査日に審査会に出席し答弁を行い、委員の先生から戴いた是正事項を速やかに修正して承認を受けます。

 倫理審査は原則として月に1度なので、申請書を提出してから承認を得るまで約1ヶ月有ります。では、その1ヶ月間は何をしているかと申しますと被験者さん募集の準備、お客様から被験物質・プラセボ物質をお受け取りする為の打合せ、試験現場の運営のシミュレーションなど行うべき事が満載です。

 このようにして、倫理委員会の申請を行っております。来月号も臨床試験関連のお話をお送りします。

 


送り先のお伺いシート。
今年も同封いたしました。
 春の時期は住所変更などのお知らせを多くいただくシートを今年も同封しました。どのようなシートにするとご本人様や関係者の方に簡単にご記入・FAX送信していただきやすいかと試行錯誤を重ねております。

 昨年は4月に同封したのですが、それが届く前にメールや電話などで住所変更等のご連絡をしてくださった方々もみえられ「しまった、同封の時期が遅かった。」と反省。それならばという事で、今年は3月号に同封する事にしました。

最後のまでお読みいただき、ありがとうございました。

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