機能食品通信061号

■今回のテーマ

・ 紙上展示会 

 その4(試験現場は川の流れのように編)

 機能食品研究所、梅田です。いつも大変お世話になっております。

 今月号は、シリーズ『紙上展示会』の4回目です。展示会場でよくいただくご質問について、回答も合わせてこの紙上にて説明させていただいております。

皆様から「毎月、拝見しています。60号まで来ましたね! 」「臨床試験の相談をする時に、どのような情報が有ると具体的な話にもっていきやすいか解りました。」「家を建てる時に色々と条件・内容が変わると値段も変動する。これは臨床試験でも言えるという事、そうですね。」「梅田さんに試験の事を相談すると『結果をどんな事に使われるのですか?』と、目的を先ず聞かれる理由が分かりました。発表したい学会の種別など、目的によって提案してくださる臨床試験の内容が変化していたのですね。」というご感想や励ましのお言葉・お便りを数多くいただき、ありがとうございました。とても嬉しいです。

紙上展示会 その4

      (試験現場は川の流れのように編)

先月号では『お客様にご準備いただく資料編』として、試験のご相談をいただいた時に先ず伺うのは【1.目的】【2.用量・安全性データ】ですというお話でした。今月号は弊社の臨試験現場に関する話題です。

■1日に測定できる人数って。

 展示会の会場やお問い合わせのお電話にて「梅田さん、1日に測定できる人数って何人?」とご質問いただく事が多いです。

なぜそのような内容かというと、どれくらいの規模の試験を頼めるかという目安をお知りになられたいからとの事。

私は「測定する項目にもよりますが、1日150名までが現実的、測定項目によってはそれ以上も可能です。時間がかかる腹部CTスキャン撮影などが加わりますと減少します。」とお答えしております。

■発注した試験は見学できる?

 試験現場についてのご質問で多いのは『発注された試験の現場見学が出来ますか?』という内容です。 

 

 はい、出来ます。弊社の臨床試験は、その試験を発注してくださったメーカーご担当者様に見学していただいたり、現場での測定をしていただいたりもしております。

【メーカー様の担当者様ご自身が現場で測定される】ってどういう事?と思われるかたもいらっしゃると思います。メーカー様より「日本に数台しか無い機器を自社で持っている。扱いのコツを機能食品研究所に習得させるのも手だが出来れば自分で測定をしたい。」「皮膚に粘着シールを貼って優しく剥がして角質を採取するとき、自社開発した分析方法に最適な力加減で採取したい。」「自社で新開発した血液分析方法を試してみたいけど、採血後10分以内に前処置を完了させねばならない。希釈方法のルールが多岐に渡るうえ多くの経験・鍛錬が必要なので、出来ればご自身でやってしまいたい。」などのご要望が有るためです。

もちろん二重盲検定(ダブルブラインド)を厳守する仕組みがありますのでメーカー様による測定に恣意・故意が入る余地はありません。

その場合、以下の3点のみご理解とご協力をお願いしております。

 『1 被験者さんへの過度な緊張が有ってはならない。』 

 『2 試験実施の精度が落ちてはいけない。』 

 『3 メーカー名を被験者さんに知られてはいけない。』 

機能食品通信29・30・36号の内容と重複しますが、各々の項目について少し詳しく説明させてください。

■『1 被験者さんへの過度な緊張が有ってはならない。』について。

 弊社の場合、臨床試験の実施会場では、白衣は医師と看護師のみ。スーツは現場責任者である梅田のみです。他のスタッフは全員普段着なのです。よってメーカー様にも普段着でお越しいただきます。

 白衣やスーツのような堅い服装の人数は少しでも減らしておく事により、被験者さんに対する圧迫感が発生しないようにしております。特に血圧やリラックス度合いの試験では圧迫感があると血圧は上がりますし、なかなかリラックスも出来ません。柔らかい表情と、堅くない服装により、日常と同じリラックスした状態で試験を行う事ができるようにしているのです。 

これで『1 被験者さんへの過度な緊張が有ってはならない。』は解決です。 

■『2 試験実施の精度が落ちてはいけない。』について。

 メーカー様にとっても、被験物質への想いと情熱が山ほど詰まった大切な臨床試験です。ご見学時の説明は梅田が丁寧に行いたいと思っております。しかし、その日の梅田の最も重要な仕事は、試験実施現場での精度を保つことです。特に朝の早い時間帯は各測定・採血工程が予定通り機能する事や、機器の動作が安定している事を先入観無しに落ち着いた目で入念に何度も確認する事のみに精神を集中しております。よって、メーカー様にはその確認作業が落ち着くと予想される時間帯にお越しいただければとご提案させていただいております。 

これにより『2 試験実施の精度が落ちてはいけない。』は解決です。 

■『3 メーカー名を被験者さんに知られてはいけない。』について。

 臨床試験をさせていただく時、そのメーカー様が開発されている事自体が外秘事項である事がほとんどです。そのため被験者さんにメーカー名が分からないようにしております。見学時にはお客様のご所属が分かってしまわないよう、ペンや手帳にメーカー様の社名がプリントされていないものを使っていただきます。意外と手帳・文房具は社名入りという事が多いので、お気を付けいただいております。

 試験現場でメーカー様が三重大学の医師・専門家の先生と会話をされる時にメーカー名がポロッと出て被験者さんの耳に入ってしまうという悲劇も避けねばなりません。そのため先生には「株価が動くほどの秘密情報なのです。お気を付けください。」と念を押しております。

これにより『3 メーカー名を被験者さんに知られてはいけない。』も解決です。

■見学をされたメーカー様のご感想

 見学をされたメーカー様から様々なお言葉をいただきました。 

「この被験物質の開発に6年かかりました、今日の見学はまるで6歳の娘の小学校の入学式に来たような気持ちです。」「信頼してお任せしてあるけど、見学する事で信頼が増しますね。」 「想い入れが強い商品なので、ここまで来たぞという嬉し涙が出ました。」 など多数いただきました。

 見学のお帰りの際にお言葉をいただくたび、『臨床試験最終日まで気を引き締めて実施しますので後はドンとお任せください。』と心の中で思いながらお見送りする梅田でした。

■試験現場は川の流れのように。

 メーカー様の研究者様に試験現場の測定をご担当いただきました時に、このようなお言葉を頂戴しました。

「今日は3分毎に1名測定だったので1時間で20名、8時間で160名。あと測定者の休憩時間が定期的に入って9時間越えの測定業務、円滑でしたね。私は朝から夕方まで自分の担当する測定のみに専念出来た事に驚きました。つまり被験者さんが会場にいらっしゃって、問診を受けられ、測定、被験物質の授受、日誌のチェックなどを各担当者さんが次から次へとトコロテン方式でこなされる様は圧巻。これら各工程が川の流れのようにスラーっと流れていくって、凄いですよ。」 

「機能食品研究所に臨床試験を発注する前に、自社内で社内倫理委員会にかけたうえで数名の被験者さんを相手に小規模な予備試験をする事が有ります。よって私は肌の保湿やバリア機能を測定する機器の扱いにも慣れています。でも私は複数の商品に於いて商品の企画・素材の基礎技術の開発・マーケティングの打合せ・後輩の指導など色々な仕事をしているので毎日のように臨床試験の測定ばかりをしていては他の仕事に差し障りが出る。でも全てを外注先に丸投げしたくない。自分の意見に沿って要望通りにやってくれるうえ、現場に立つ事ができる機能食品研究所はとても頼みやすい。」など数多くのご感想をいただきました。

 戴きましたそれらのお言葉から弊社の進むべき方向である『お客様のお役に立てるサービス提供』が更に見えてきたように思えております。弊社は皆様からのご意見・ご感想のおかげで進化する事が出来ております。これからもお気づきの点等ございましたら、是非ともお知らせいただきますようお願い申し上げます。

最後のページまでお読みいただき、ありがとうございました。    差し支えが無ければ回覧いただけると幸いでございます。

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