機能食品通信018号

  • ■ 今回のテーマ

・愛用品への苦渋の選択。

・気持ちを悟られない方法。

・4月22日(金)に痒みの茶話会を行います。

機能食品研究所、梅田です。いつもお世話になっております。

3月は卒業(修了)のシーズンですね。私ですが、2003年からずっと三重大学工学部 野呂准教授の研究室の学生さんや院生さん達と【音で痒みの度合いを計測する研究】をご一緒していただいておりますが、何年経っても3月のお別れのシーズンは苦手です。寂しくてたまりませんが、メソメソしても仕方が無いので無理して笑顔を作っております。

話は変わりますが、先月号もお読みいただき、ありがとうございました。「試験現場で測定データを死守される姿に感心しました。」「幸島の猿と梅田家の犬の文化伝承の比較が笑えました。」というお便りをいただきました。とても嬉しいです。

愛用品への苦渋の選択。

私のお気に入りの十徳(じっとく)ナイフは、はさみ・ナイフ・栓抜き・ドライバ・ヤスリなどが付いています。

いつも仕事カバンに入れている必須アイテムでして、

カバンの中に入っていないと出張時で困ります。

でも、今回ばかりはカバンの中に入っていて、困りました。

仕事で飛行機に乗るため、身体検査するゲートで列に並んでいた時の事。列の先にある【ライターやナイフを捨ててください】という透明な箱が目に映り「しまった・・・」と青ざめる私。

その日は、日帰りで神戸と東京での仕事でした。午前中に神戸での用事を済ませ、神戸の会社のTさんと一緒に神戸空港から東京まで飛行機でひとっ飛びして用事を済ませ三重県に帰るというスケジュール。

自分独りの移動なら直ぐに身体検査の列から飛び出て解決策を探すのですが、今はTさんと一緒の移動なので、下手な行動は慎まねばなりません。涼しい顔をしながらも、頭の中ではグルグルと色々な方法を考えておりました。『私のカバンは手荷物として肌身離さず持っていたいから大荷物として預けられない。新たにカバンを購入して十徳ナイフを入れて大荷物として預ける。』 『空港のお土産屋に戻って何かを買って、それと一緒に自宅まで宅急便で送る。』 『郵便局を探して十徳ナイフだけ自宅に送る。』うむむ、どの案も列から離れねばならないので断念。

そうしている間にも身体検査待ちの列はだんだん進み、とうとう【ライターやナイフを捨ててください】という透明な箱に到着。十徳ナイフをカバンから取り出し、捨てる覚悟を決めた時、係員の方が駆け寄ってきて「その万能ナイフ、貴方が乗る航空会社は大荷物として預ける事ができますよ。いま直ぐに、カウンターまで行ってください。飛行機の搭乗時間まで余裕が有りますから心配有りません。」と教えてくれました。Tさんの「捨てずに済んで良かったですね。独りで悩まず言ってくだされば一緒に案を考えたのに。」という優しいお言葉に背中を押され、急いで大荷物を預けるカウンターに走る梅田。

カウンターに着くと、ビニールでコーティングされた【A4サイズが入る茶封筒】を渡され、その中に十徳ナイフを入れてガムテープで口を閉じて預けて完了。

そして、空の移動が終わり羽田空港に着陸。飛行機を降り、トランクやカバンなどの荷物が流れてくるコンベアから出てきた私の封筒。封筒を回収し、開封して十徳ナイフを取り出すまでの一部始終、複数の乗客の方々から「何が入っているのだろう?」という熱い視線を受け続けたのは言うまでもありません。

気持ちを悟られない方法。

ヒト試験(臨床試験・食品試験)のお話です。

試験の本番(摂取・塗布・使用開始)に向けて、お客様からのご相談 → 試験の目的を明確化 → ご契約 → 仕様書・試験計画書を作成 → 三重大学の倫理委員会に申請 → 被験者さんを募集 → 被験者さん選出のためのスクリーニング測定 → スクリーニング結果を基に群分け(どの方をどの群にという割り付け)→ 試験の本番という流れで進めます。

どの行程もお客様のお考えと想いをしっかりと伺い、私は「それならば、この測定項目とこの計算方法が最適です。」「では、このデータも参考用にとっておきましょう。」「この工夫をする事により精度を更に上げ、細かな有効性データも見逃さないようにします。」とトコトンまで何度も何度も熱いハートでお客様と一緒に練り上げていきます。

それらの行程が終わると、いよいよ試験本番(摂取・塗布・使用開始)がスタートです。その時に梅田はお客様に「キーオープン(群の内訳開示)完了まで、試験の公平性を守るため、感情を入れないメール文章での連絡に切り替わります。お手数をおかけしますが、なるべくメールでの連絡でお願いします。」とお願い(宣言)します。

なぜなら、本試験より先は電話でお客様と連絡を行った場合「あれ?梅田の声のトーンがいつもより明るい気がする。何か良い結果を隠している?」とか「梅田の声のトーンが気のせいか低いな、外出先だから声を押し殺しているか、もしくは試験結果が良くなかったのを隠している?」のようにお客様側で推測が生じるかもしれません。

私を含め弊社のスタッフのうち一部の者は、試験の実施中に常にデータに目を通しております。その理由ですが、試験が終わってから結果を見たら、実は試験最中に有害事象(身体に悪い影響が発生)が起きていたなんて事が有ってはいけないため、安全性の観点から常にデータを把握しておく責任があるためです。このような理由から、お客様側で深読みをされなくても済むようにメールで「ただいま4週目測定が無事に終了しました。医師問診に於ける脱落者無しです。」「4~8週目用の荷物、計5箱、確かに受領し内容物確認を完了しました。」のようになるべく要件のみを短文で書いて済ませてしまいます。

しかし先日、それが原因で失敗をしてしまいました。

それは、とある木曜の昼の話です。早く結果をお伝えしたいという気持ちでデータ処理を頑張り、試験結果の速報データが出来上がりました。私は心の中で『いつも通り1晩寝かして、明日になってから最終チェックをして提出しようか? まだ提出締め切りまで余裕があるけど、お客様からしたら早くにお知りになられたい情報なのは明らか。明日の金曜にお見せできればお客様は週末をモヤモヤせずに過ごしていただけるのではないか。でも、もし明日の金曜がご不在なら無理してでも本日中(木曜)にお渡しした方が良いのでは。』と思ったのです。

なので、さっそくメールで「今週木・金曜の中でメールとお電話をできる時間帯をお教えください。」とお伝えし、回答を待ちました。変な誤解を生じるといけないので「メールと電話をしたいというのは、こちらが速報を送ったら、数分以内にメールでキーオープン(群の内訳開示)して貰いたいのです。それから電話で速報とキーオープンを見ながらお話しましょう。」という蛇足な文末は止めておきました。するとお客様から「木曜はいつでもOK、金曜の14~15時以外はOKですよ。」と回答をいただきましたので、では明日の金曜17時でとなりました。

そして翌日の17時に速報メールをお送りし、間髪入れずにキーオープンのメールを戴きました。この瞬間に感情が解禁です。すぐにお電話で結果について感情を隠すこと無くお話をさせていただきました。その時、お客様が「昨日のメールですが、ひょっとしたら悪い話だからメール直後に電話でお話をしようという事かなと、深読みしていました。良い結果だったので気にしていませんが。」と笑いながらおっしゃられました。

お客様は笑っていらっしゃいましたが、ドキドキされた事は事実です。こんな事は有ってはならない事と反省し、次からは本番開始前に「今から感情を入れないメール文章でのやりとりとなります。特にキーオープン直前に細かく日程を伺うメールを送りますが、深読みしないでください。」と予めお伝えしますという【再発防止策】をご報告いたしました。

このように常日頃から気をつけて行動をしておりますが、私の修行が未だ足りないため、どうしても気づかない事もあります。そのため、このようにお客様から感想のお言葉(&機能食品通信への掲載のご許可)を戴けます事を、とてもありがたく思っております。 皆様、お気づきの点等ございましたら、どんな些細な事でも是非ともお知らせください。

4月22日()に痒みの茶話会を行います。

【ヒトが痒くて掻いている音をカウントする技術】の説明会(茶話会)を、開発者のお一人である三重大学工学部 野呂先生をお招きして4月22日(金)12~15時に弊社(津市大門)にて行います。

昨年11月に行った時に参加者様からお寄せいただいたご感想などを基に、内容を更に充実させます。いただきました匿名のアンケート内のご感想の一部をご紹介させていただきます。【●当社も製品(医薬品)の性能を数値化・可視化することに色々と苦慮しています。掻く音をかゆみ指標にするのはおもしろいアイディアですね。参考になりました。】【●経路案内、会場での対応、手書きの礼状・・・等々 御社の丁寧な対応に感激致しました。今まで測定者の主観が入る方法でしたが、音による測定は客観的データがとれる点が非常に良いなと感じました。言うならば、測定方法のデジタル化という意味で革新的だと思いました。(以下略)】【●おいしいお弁当を食べながら興味深く楽しいお話ができて良かったです。掻破行動計測機について分かりやすく説明していただき勉強になりました。かゆみだけでなく様々な分野への応用に期待しております。】【●とても有意義な茶話会でした、私は現在「かゆみ」を研究しており動物から得られたデータを人にどのようにあてはめ考えていけば良いかに苦労しております。(中略)人での試験が出来るということは本当にすごいと思いました。(以下略)】 皆様、貴重なご感想・ご意見をお寄せいただき、誠にありがとうございました。

4月22日(金)にご参加いただけます方は、まずは弊社までお申し込みください。皆様のご応募、心からお待ちしております。

回覧・印

 最後のページまでお読みいただき、ありがとうございました。

    差し支えが無ければ回覧いただけると幸いでございます。

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